焼きたての香ばしい匂いとともに、深紅の記憶が呼び覚まされるような――。そんな「大人のための休息」にふさわしい、贅沢な焼き菓子の登場です。
今回ご紹介するのは、フランスの伝統的な「カトルカール」をベースにした、至高のハーブスイーツ。
その最大の特徴は、丁寧にミルされたドライローズが贅沢に生地に練り込まれていることです。
オーブンの中で熱が加わることで、バラの持つ高貴で華やかな香りがバターの芳醇なコクと溶け合い、一口噛みしめるごとに鼻腔を優しく、かつ鮮烈に抜けていきます。
香りと食感のレイヤー
ただ甘いだけではない、重層的な味わいもこのお菓子の魅力です。
バラの余韻: ミルされたローズが生地全体に行き渡っているため、どこを食べてもフローラルな癒やしを感じられます。
カカオマスのアクセント: 砂糖を含まない純粋な「カカオマス」の粒が、最高のスパイスとして機能しています。
不意に現れるほろ苦さとカリッとした食感が、バラの甘美な香りをぐっと引き締め、全体を凛とした印象に仕上げています。
至福のティータイムに
断面に見えるカカオの粒と、バラの繊細な粒子が織りなす表情は、まるでアンティークの調度品のような落ち着いた美しさ。しっかりとした重厚感のある生地は、時間の経過とともに味が馴染み、より深みを増していきます。
甘さを抑えたこの焼き菓子には、温かいストレートの紅茶はもちろん、赤ワインを添えても素晴らしいマリアージュを見せてくれるでしょう。
日常の喧騒を忘れ、静かな夜や休日の午後に、ゆっくりと一切れずつ味わいたい。そんな「知性と品格」を感じさせる、まさに大人のための逸品です。
詳しいレシピなどは、日本ハーブスイーツ協会の『ハーブスイーツマイスター講座』のホームページへどうぞ。