日々お菓子を作り、お客様とお話ししてきました。
その中で、不思議に感じてきたことがあります。
お菓子作りが長く続く方は、
「上手に焼けました。」
よりも、
「また焼きたくなりました。」
と話されることが多いのです。
最初は、その違いがよく分かりませんでした。
でも長い時間の中で、少しずつ答えが見えてきました。
〜「できた」より、「またやりたい」〜
何かを始めると、つい結果を求めてしまいます。
きれいに焼けたか。
失敗しなかったか。
思いどおりにできたか。
もちろん、それも大切です。
でも、お菓子作りは結果だけでは終わりません。
「また焼こう。」
そう思えたなら、その日はもう十分豊かな一日だったのではないでしょうか。
〜暮らしは、小さな楽しみでできています〜
毎日お客様を見続けてきて感じることがあります。
暮らしを楽しんでおられる方は、大きな出来事を待っていません。
季節の果物を見つけた日。
お気に入りの紅茶を淹れた午後。
焼きたてのクッキーを一枚味わう時間。
そんな小さな出来事を、大切にされています。
お菓子作りも、その一つなのだと思います。
〜上手になることは、あとからついてきます〜
「もっと上手になりたい。」
その気持ちは素敵です。
でも、今まで見てきて思うのは、上手になった方ほど「上手になること」を忘れて楽しんでおられるということです。
焼き色を眺める。
香りを感じる。
家族と「おいしいね」と笑う。
その時間を積み重ねているうちに、気づけば技術も育っています。
〜ハーブは、「もう一度」を連れてきます〜
ハーブスイーツを焼いていると、
「今度は違う香りでも試してみよう。」
そんな気持ちになります。
植物には、一度で終わらせない魅力があります。
カモミールのやさしさ。
レモングラスの爽やかさ。
レッドローズの華やかさ。
一つ知ると、もう一つ知りたくなる。
その積み重ねが、楽しさを少しずつ広げてくれます。
〜お客様から教えていただいた言葉があります〜
あるお客様が帰り際に、
「来週のお休みに、また焼いてみます。」
と笑顔で話してくださいました。
私は、その一言がとても嬉しかったのを覚えています。
お菓子を好きになっていただけたことよりも、
「また焼きたい。」
と思っていただけたことが嬉しかったのです。
〜今、私が思うこと〜
毎日毎日お菓子を作り続けてきました。
振り返ると、幸せだった日は、大きな賞をいただいた日でも、特別な出来事があった日でもありません。
「今日も焼いてよかった。」
そう思えた、ごく普通の一日でした。
だから私は、お菓子作りを続ける理由を、技術の中には見つけませんでした。
暮らしの中に見つけました。
もし今日、お菓子を焼いて、
「また焼きたいな。」
そう思えたなら、その一日はきっと、とてもよい一日だったのだと思います。
お客様や自分自身を見続けてきて、私はその小さな気持ちこそが、長く続く趣味のいちばん大切な種なのだと感じています。
一一一一一一一一一一一
はじめての方へ
■まず最初に、ハーブスイーツや、当講座についてはこちらへどうぞ▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/173534/
私の30年のパティシエとしての経験の中で大切にしてきたこと、感じてきたことについて書き綴っています▼
https://www.herbsweets-japan.com/blog/185578/
日本ハーブスイーツ協会
やさしく学ぶハーブスイーツの小さなお便りを、
無料で、7通にわたってお届けしています。
▼
https://m1-v3.mgzn.jp/sys/doubleOptReg.php?cid=G6032222