【今思うこと】お菓子を「作る」のではなく「育てる」のだと思うようになりました

2026年07月20日 06:37
日本ハーブスイーツ協会

長らくお菓子を作り続けてきました。

若い頃の私は、

「どう作れば、もっとおいしくなるだろう。」

そんなことばかり考えていました。

配合。

焼き時間。

食感。

技術を磨くことに夢中だったように思います。

もちろん、その時間は今の私にとって大切な財産です。

でも30年という時間を歩いてきて、一つだけ大きく変わったことがあります。

私は、お菓子を「作る」というより、「育てる」のだと思うようになりました。

〜お菓子は、レシピだけでは完成しません〜

同じレシピでも、その日によって表情が違います。

気温。

湿度。

材料。

そして、作る人の気持ち。

すべてが少しずつ重なって、一つのお菓子になります。

だから私は、毎回少し違う焼き上がりを見るのが好きです。

その違いを受け入れるようになってから、お菓子作りはもっと楽しくなりました。

〜育つのは、お菓子だけではありません〜

お菓子を焼き続けていると、不思議なことがあります。

変わっていくのは、お菓子だけではありません。

自分自身も、少しずつ変わっていきます。

焼き色を待てるようになる。

失敗しても慌てなくなる。

季節の香りに気づくようになる。

そうした小さな変化も、お菓子作りが育ててくれたものなのかもしれません。

〜ハーブも、そのことを静かに教えてくれました〜

ハーブは、急いでも育ちません。

季節を待ちます。

光を待ちます。

雨を受け入れます。

その姿を見ているうちに、私も「急がなくてもいい」と思えるようになりました。

ハーブスイーツを焼くようになったのは、香りが好きだったからだけではありません。

植物の生き方に、教えられることが多かったからです。

〜お客様との時間も、一緒に育ってきました〜

30年間、お客様と向き合ってきました。

最初は、おいしいお菓子を届けたい一心でした。

でも今は少し違います。

お菓子を通して、

家族との時間が育つ。

休日の楽しみが育つ。

暮らしの穏やかさが育つ。

そんなお手伝いができたら嬉しいと思うようになりました。

〜今の私の願い〜

もし今、お菓子作りを始めようとしている方がおられるなら、どうか上手になることだけを急がないでください。

一回のお菓子で、人生は変わりません。

でも、一回のお菓子が、次の「また焼こうかな」という気持ちを育てることはあります。

その積み重ねが、やがて暮らしを育てていきます。

お菓子を作り続けてきて、私が一番大切だと思うようになったのは、完成したお菓子ではありません。

そのお菓子を囲んで育っていく時間です。

だから私は今日も、お菓子を焼きます。

完成品を作るためではなく、誰かの暮らしに、小さな豊かさが育っていくことを願いながら。


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