【30年間、お菓子を作り続けて気づきました】人は、お菓子を焼きたくなる日があります

2026年07月20日 15:52
日本ハーブスイーツ協会

くる日もくる日もお菓子を作り続けてきました。

毎日同じように焼いていたわけではありません。

忙しい日もありました。

疲れて帰る日もありました。

「今日は何も作りたくないな。」

そんな日も、もちろんありました。

それでも、不思議なことがあります。

ある日ふと、

「今日は焼こうかな。」

と思う日がやってくるのです。

私は、その気持ちをとても大切にしています。

〜理由は、あとから分かることがあります〜

「どうして今日は焼きたくなったんだろう。」

その理由は、その場では分からないこともあります。

少し涼しくなったからかもしれません。

庭のハーブが元気だったからかもしれません。

家族とゆっくりお茶を飲みたくなったからかもしれません。

人の心は、案外そんな小さなきっかけで動くものなのだと思います。

〜厨房は、いつもの場所です〜

30年間、いろいろなことがありました。

嬉しい日も。

思うようにいかなかった日も。

でも、厨房へ立つと、いつもの景色があります。

ボウルがあり、

泡立て器があり、

オーブンがあります。

その変わらない景色に、何度も助けられてきました。

香りは、「おかえり」と言ってくれます

オーブンから甘い香りが立ちのぼると、

「やっぱり、この時間が好きだな。」

と思います。

ハーブを使うようになってからは、その気持ちがさらに強くなりました。

カモミールのやさしい香り。

レモングラスの澄んだ香り。

植物の香りは、何かを主張するのではなく、

「今日も、おかえり。」

と迎えてくれているように感じることがあります。

〜お客様も、同じことを話してくださいました〜

あるお客様が、こんなことをおっしゃいました。

「久しぶりに焼いたら、なんだか自分の場所へ戻ってきた気がしたんです。」

私は、その言葉がずっと心に残っています。

お菓子作りは、上手になるためだけのものではありません。

自分らしさを思い出す時間にもなるのだと、そのとき教えていただきました。

〜30年経った今の私の答え〜

若い頃は、お菓子を焼く理由を考えたことはありませんでした。

仕事だから。

もっと上手になりたいから。

そんな理由だったように思います。

でも今は違います。

厨房へ戻ると、心が少し落ち着きます。

焼き上がる香りに包まれると、

「今日も悪くない一日だった。」

と思えることがあります。

だから私は、お菓子を焼いているのかもしれません。

お客様を見続けてきて思うのは、人にはそれぞれ「戻ってこられる場所」が必要なのだということです。

私にとって、その場所は厨房でした。

もしあなたにも、ふと「今日は焼いてみようかな」と思う日が訪れたなら、その気持ちをどうか大切になさってください。

その一歩は、お菓子を作るためだけではなく、ご自身の暮らしへ、そっと帰ってくる一歩なのかもしれません。


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